[現役看護師の健康コラム] コラーゲンはお肌の救世主?効果と副作用を論文から解説

コラーゲンは肌のハリや弾力に欠かせない栄養素です。最近では美容・化粧品だけでなく、サプリメントやドリンクでコラーゲンを積極的に摂取する人が増えています。今回はコラーゲンの効果や副作用を科学的な論文をもとにわかりやすく解説します。

目次

「コラーゲン」はいつからあるの?

コラーゲンの歴史は、エジプト人がピラミッドを作っていた頃までさかのぼります。動物の皮や骨を煮込んでできたゼラチン(コラーゲンの塊)を、生活用品の加工に使用していました。中世のヨーロッパでは、工業用・食用のゼラチンが生産できるようになりました。

まだこの時代には、コラーゲンに美容効果があるとはわかっていませんでした。

1960年にはコラーゲンを細かく分解して、多種多様な製品に応用できる技術が生まれます。さらにさまざまな科学技術の進歩で、コラーゲンが人の体によい効果をもたらすことが明らかになり、どうすれば人の体により効果的に働くのかもわかってきました。

これらの技術革新をきっかけに、コラーゲンは徐々に身近な存在になっていったのです。1)

コラーゲンの歴史についてもっとくわしく知りたい方は、資生堂のホームページを参照ください。2)

資生堂 コラーゲンラボ 
https://www.shiseido.co.jp/collagenlabo/ 

「コラーゲン」が人気になった理由

コラーゲンが人気を集めている理由は「安価」で「高い効果が実感できる」という点ではないでしょうか。実際「コラーゲンを食べると肌がプルプルになる」「コラーゲン入りの美容液は化粧のノリが違う」と感じている人も多いはず。

ひと昔前までは美を追求するのは、一部のお金を持った人たちだけができる贅沢でした。

近年「生きること」以外にもお金をかけられる人が増えています。さらに食事や生活環境、公衆衛生や医学の進歩で100年前よりも平均寿命は長くなり「美を追求したい人」と「美にお金をかけられる人」の数は増えています。

「美を追求するなら、できるだけ費用対効果が高い方法を選びたい」

そんなニーズにマッチしたのが、めざましい進歩をとげたコラーゲン開発技術でした。

はじめはゼリー状の塊だったものが、粉に。そしてナノレベルまで分解され、より体内や肌から吸収しやすい形に進化しました。同時に、コラーゲンをさまざまな製品に応用する技術が進歩し、より質の高いコラーゲンを比較的安価で提供できるようになり、多くの人が簡単に取り入れやすくなったのです。

コラーゲンに期待できる効果

コラーゲンの効果に関する論文は世界中で報告されています。

食べるコラーゲンに着目した研究を紹介します。コラーゲンを食べてしわや肌の弾力性、保湿性がどのように変化したかを、世界中の20~70歳の約1,100人を対象に調査しました。その結果「コラーゲンを90日間取り続けるとしわが減り、肌の弾力性と保湿性がよくなり肌の老化を抑える効果がある」と結論付けたのです。3)

そのほかにも20代の女性がコラーゲンを食べると、肌の保湿性がアップしたという研究もあります。4)

コラーゲンに期待できない効果

コラーゲンを摂取したからといって、肌や関節などの問題がすべて解決できるわけではありません。皮膚の水分量やシミ、シワ、ひざなどの痛みや違和感への効果は認められていないという報告もあります。5)

コラーゲンの副作用

コラーゲンにはメリットが多いイメージですが、副作用報告もあります。

肝機能の悪化や、鶏や豚などにアレルギーがある人は、コラーゲンの原材料によるアレルギーやアナフィラキシーを起こすことも。どのように作られたコラーゲンを食べる・塗るのかは、必ず事前に確認しましょう。

また、妊娠中・授乳中の安全性は確認されていませんので、摂取・使用は避けてください。5)

効果的なコラーゲン摂取方法

効果的なコラーゲン摂取方法は、まだよくわかっていません。

食べるのと、肌に塗るのとどちらが効果的なのかだけでなく、どれくらい食べればいいのか、どれくらい肌に塗ればいいのかもまだまだ研究中です。さらにサプリメントやコスメに頼らなくても、バランスの取れた食事でコラーゲンの必要量はまかなえているという研究結果もあります。1)

コラーゲンを効果的に摂取するなら、自分で取り入れやすく続けやすい方法が一番おすすめです。

現役看護師からのアドバイス

SNSの投稿や美容雑誌を見て、積極的にコラーゲンを食べたり塗っている女性も多いでしょう。コラーゲンはとても魅力的な成分ですが、その効果や副作用はよくわかっていない部分も多いのです。

いつも美しくありたいという気持ちは何歳になっても変わらないもの。けれども体に必要なコラーゲンはバランスの取れた食生活で十分まかなえるという報告もあります。サプリメントやドリンク、パウダー、コスメに頼りすぎず食生活や運動習慣を見直し、良好な睡眠をとるほうが美肌だけでなく健康のためにもおすすめです。

参考文献
1)コラーゲン| e-ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
2)コラーゲンの基礎知識│資生堂 コラーゲンラボ
https://www.shiseido.co.jp/collagenlabo/know/about/
3)Roseane B de Miranda. Patrícia Weimer. Rochele C Rossi 2Effects of hydrolyzed collagen supplementation on skin aging: a systematic review and meta-analysis nt J Dermatol. 2021 Dec;60(12):1449-1461. doi: 10.1111/ijd.15518.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33742704/
4)コラーゲン経口摂取が結合組織(骨、皮膚)におよぼす作用
https://www.kose-cosmetology.or.jp/research_report/archives/2004/fullVersion/Cosmetology%20Vol12%202004%20p107-112%20Kasugai_S.pdf
5)コラーゲンって本当に効果があるの? 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail2204.html
6)コラーゲンの真実|飲んでも食べても意味がない?正しい摂取方法は?
https://i-voce.jp/feed/12698/

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この記事を書いた人

看護師 保健師 糖尿病療養指導士
大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。

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