[現役看護師の健康コラム]【湿度】知っておきたい!梅雨に気を付けるべき病気【雨】

今年も梅雨の季節がやってきました。じめじめした毎日で気分が滅入ってしまう人も少なくありません。雨の日が増え湿度が高くなると、人のココロや体にさまざまな影響を与えます。時には夏以降もひきずるような心身の不調につながることも。今回は梅雨に気を付ける病気と対策を紹介します。

目次

梅雨におこりやすい病気

梅雨におこりやすい病気の中には、入院治療が必要になるケースもあります。代表的な4つの病気を紹介します。

食中毒

食中毒の原因は、ウイルス、細菌、キノコやフグなどの自然毒、アニサキスなどの寄生虫があります。

なかでも「腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)」「カンピロバクター」「サルモネラ」などの細菌が原因でおこる食中毒は、湿度・温度が高くなる6~8月に多く発生し、発生患者数の7割を占めています1

引用:病因物質別 患者数発生状況(令和2年)食中毒予防の原則と6つのポイント 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html

細菌性食中毒の症状は倦怠感や発熱、激しい腹痛・嘔吐・下痢です。原因菌によっては、重症化し命を落とすこともあります。

細菌性の食中毒は、梅雨時から流行する傾向があります。注意しましょう。

感染症

夏にかかりやすい感染症も梅雨時におこりやすい病気です。

 夏風邪

風邪は冬の寒い時期だけに発症する病気ではありません。梅雨時から夏にかけて活発になる3つのウイルスがあります。

ウイルス名病名症状
コクサッキーウイルス手足口病2)発熱、口内炎
エンテロウイルスヘルパンギーナ(エンテロウイルス・コクサッキーウイルスのどちらも原因になる)3)発熱、口粘膜の水庖
アデノウイルスプール熱40度近い高熱、のどの痛み

お子さんにかかりやすい病気のイメージがあるかもしれませんが、どの病気も大人もかかる可能性があり、重症化するケースもあるため注意が必要です。

 夏型過敏肺炎

肺炎は「冬にかかりやすい病気」ではありません。夏でも肺炎になる可能性があります。夏型過敏性肺炎の原因は「トリコスポロン」というカビです。トリコスポロンは日が当たりにくい環境を好むカビで、梅雨時期に活発になります。

トリコスポロンにアレルギー反応を起こし、痰のからんだ咳や発熱、頭痛、呼吸困難を自覚します。夏だけ咳が出る、自宅にいる時間が長くなると咳が出る、家族も夏に同じような症状が現れるなどの特徴があります。4)

ダニによるアレルギー

ダニが好む環境は温度25℃、湿度75%前後、空気の流れの少ない状態です。梅雨時はダニが好む環境が整っていて、気づかないうちに大量繁殖します。その結果、ダニのフンや死骸が環境中に増え、咳や鼻水などのアレルギーが悪化する可能性があります。す。

メンタル不調

梅雨時に気分のおちこみや、ゆううつ感、やる気が出ないなどのメンタル不調を感じる人もいるでしょう。実は、梅雨時は多くの人がメンタル不調に陥りやすい時期です。

なぜ、梅雨時はメンタル不調になりやすいのでしょうか?

1つ目は、太陽に当たる時間が減りセロトニンの分泌が低下するからです。セロトニンは気分を安定させる働きがあり、幸せホルモンともよばれています。

セロトニンの不足はイライラ感、意欲低下、不眠、うつ症状をまねく可能性があります。

2つ目は、室内にこもる時間が増えるからです。外部からの刺激や運動量が減り、気分転換がはかりにくくなります。

梅雨の病気対策『3つのポイント』

梅雨になりやすい病気は、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?梅雨の病気対策に心がけたい3つのポイントを紹介します。

食中毒予防3原則を守る

食中毒の原因になる細菌やウイルスは目に見えません。いつどこに菌がいて、増えるのかわからないため怖く感じるかもしれません。

食中毒予防には食中毒菌を「つけない、増やさない、やっつける」の3原則を意識してください。1)

つけない

手や調理器具に繁殖した雑菌を、食べ物に付けないようにしましょう。

調理前後だけでなく、肉や魚などのなまものを触る前後に手洗いをしてください。

さらに、なまものを切ったまな板や包丁は、洗剤でよく洗って熱湯で消毒するのがおすすめです。

増やさない

細菌は高温多湿で繁殖します。なまものは冷蔵庫や冷凍庫などで保管してください。冷蔵庫や冷凍庫の低温環境でも細菌はゆっくり繁殖します。買ったものは、はやめに食べましょう。

やっつける

食中毒の原因になる細菌やウイルスは「加熱」で死滅します。生焼けの肉は食中毒のリスクが高くなります。中心部が「1分以上75℃以上」になるようしっかりと加熱し、食中毒を予防しましょう。

掃除や湿気対策を徹底する

人が快適に過ごせる湿度は40~70%ですが、2021年7月の東京の平均湿度は83%でとてもじめじめしています。5)湿度を下げて快適に過ごせるよう、除湿器やエアコンの除湿機能を活用してください。洗濯物を干す際には除湿器の併用がおすすめです。洗濯物も早く乾きますし、室内の湿度も下げられ一石二鳥です。

また掃除も梅雨の病気対策には欠かせません。カビを見つけたら早めに掃除し、結露もこまめにふき取ってカビの発生を防ぎましょう。晴れた日には、換気をして空気を入れ替えてください。

日光にあたる

梅雨の晴れ間は、ぜひ外にでかけてください。メンタル不調の改善に効果が期待できるセロトニンは、日光に10~15分あたるだけで必要な量が分泌されます。運動や気分転換にもなりますから、ぜひ日光に当たる時間をつくってください。

現役看護師からのアドバイス

じめじめする梅雨時は、他の時期とは異なる病気に注意しなければなりません。食中毒や夏風邪は重症化すると入院治療が必要なケースもある病気です。梅雨時の病気にならないためには食中毒や夏風邪にかからない環境づくりと、メンタル不調を招かない生活を心がけましょう。

さらに、病気に負けない、病気になっても回復できる健康的な体作りのためには、規則正しい生活と栄養バランスのとれた食生活も重要です。なんとなく体調がすぐれない人は、栄養や睡眠が不足している可能性があるからです。

長かった梅雨を抜ければ、楽しい夏ももうすぐです。元気に夏を迎えるためにも、毎日を健康に過ごすためにも、今回の記事が参考になればうれしいです。

参考文献

1)食中毒予防の原則と6つのポイント 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html
2)手足口病とは 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html
3)注目すべき感染症 手足口病・ヘルパンギーナ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/hfmd-m/hfmd-idwrc/10767-idwrc-2143h.html
4)夏型過敏性肺炎とは SRL
https://www.srl.info/message/cs/2014/0613/01.html#a3
5)過去の気象データ|気象庁
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=&day=&view=a2

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この記事を書いた人

看護師 保健師 糖尿病療養指導士
大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。

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