日々の生活で、うまく疲れがとれていない人は多いのではないでしょうか。疲れがとれないまま仕事をすることでさらに疲れてしまい、辛い思いをしている人もいると思います。
この記事では、睡眠で疲れをとるための、適切な方法についてご紹介します。
疲労回復には睡眠が重要
そもそも、何故睡眠は大切なのでしょうか。それは、ヒトの疲労の種類によって説明できます。
ヒトの疲労には「脳疲労」と「身体疲労」とがあります。
脳は日頃から身体や精神といったあらゆるところをつかさどっているため、わたしたちが感じている以上のエネルギーを消費しています。
そのため、「脳疲労」から回復するには特に睡眠によってしっかりと疲れをとることが重要になります。
睡眠のメカニズム
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠とがあります。レム睡眠は比較的浅い眠りで、脳が記憶を整理したり定着させたりといった活動を行います。一方ノンレム睡眠は深い眠りで、脳を休息させることで、疲労回復が行われています。
また、ヒトのバイオリズムは通常24~25時間のサイクルです。そのため、24時間で構成されている現代社会ではしばしば、身体のリズムと時間のサイクルとが合わなくあってしまうことがあります。
さらに、適切な睡眠時間は個人によって異なっているため、「Aさんが7時間だからわたしも7時間」といった 正解が存在しないという点でも「正しい睡眠」について論じることは難しくなります。
眠りにくいときの原因と対策
それでは、睡眠の質が落ちてしまうのは一体どんな時なのでしょうか。
大きくは3点に分類されます。
・ストレスが溜まっている時
・睡眠習慣が乱れている時
・自律神経が乱れている時
それぞれどうしたら解決に近づくことができるのかをお伝えします。
ストレスが溜まっている時は睡眠環境を整えてリラックス
まず、ストレスと睡眠の関係についてお話します。
ストレスがかかりすぎると、人は睡眠が困難になります。そのため、ストレスを感じているときは 意識的にリラックスするための環境を整える必要が出てきます。
リラックスできる睡眠環境に有効とされるものとして、香りや寝室の色、衣服の肌ざわりなどが挙げられます。
嗅覚は、人間のもつ五感の中で唯一、感情に働きかけるとされています。
睡眠時に効果的なのは不安感を軽減させる柑橘刑の香りやフローラル、樹木の香りの精油です。
アロマスプレーをハンカチや小さ目のタオルに吹きかけて枕もとに置くのが手軽な方法ですが、アロマディフューザーを用いるなどの方法もあります。
寝室の色は、暖色系を用いるのがおすすめです、中でもオレンジやベージュ、茶色は「落ち着く」「安心感をもたらす」といった心理的効果を得られます。カーテンや明かりの色合いをリラックスできるものにすることで、寝室に行くと落ち着くという環境を作ることができます。
さらに、寝具の肌触りをよいものに変えるだけでもリラックス効果を得ることができます。新生児を対象にした研究でも、肌ざわりが人の興奮性ストレス反応を和らげるということが分かっています。やわらかい布でできたパジャマや布団を使用することで、眠りにつきやすくなるといえるでしょう。
睡眠習慣が乱れている時はバイオリズムを味方につけて、眠りにつきやすい身体に
次に、睡眠習慣の乱れについてお話します。
睡眠のメカニズムについてお話したとき、「ヒトの体は24~25時間サイクルになっている」と言いました。これが1日の24時間という時間とずれてしまうことで、体内時計に狂いが生じます。
これを解決するには、一日のうちで体内時計をリセットすることが必要です。朝起きる時間に太陽光をあびることで、体内時計をリセットすることができます。これはくもりの日にも有効です。
またこのとき、起床時間を一定に保つことが重要だとされています。一日の睡眠時間を決めるのではなく、起床時間を固定することで生活の開始時間が一定になります。すると、結果的に適切な睡眠時間を取ることができるようになります。
さらに、就寝時間の1~2時間前にバスタイムを設定することで、体温が下がりはじめてちょうど眠くなる時間を就寝開始時刻にあてることができます。バスタイムできちんと体を温めることで血行が促進され、身体疲労が取れやすくなるという効果も得られます。
自律神経が乱れている時は、手軽にできるストレッチで自律神経を整える
最後に、自律神経の乱れについてお話します。
自律神経とは、体内環境を整える神経のことです。大きくは交感神経と副交感神経からなり、バランスが崩れると身体・精神ともにさまざまな症状が発生します。
自律神経を整え、睡眠の質を改善するために有効なものをご紹介します。
・イスヨガ
・背中のストレッチ
イスヨガとは、通常のヨガと少し異なりイスを用いて行うもののことです。座ったときに背筋を伸ばしやすく、足と床とが直角になる硬めのイスを用いて行います。イスに座った状態で足首を回したり、体側を伸ばしたりといった運動を行います。
背中のストレッチでは、床に足裏を併せてすわり骨盤を倒すように背中を丸め、背中をそらすというのを交互に行うストレッチです。
こういったストレッチを行うことで、呼吸が意識されたり血行が促進されたりします。これらはどちらも、自律神経を整えるために非常に有効なことです。
質の良い睡眠で疲れを癒す
一日のうちおよそ3分の1を占める睡眠時間。
これを質の良いものにすることで、自分の暮らしをより健やかに過ごすことができます。
ここに挙げた方法はどれも気軽に始められるものばかりです。ひとつからでも、はじめてみてください。