ストレスを感じているときの解消法といえば、誰もが知りたいノウハウのはず。
ネットで検索して調べることもあるでしょうが、その一つに「甘いものを食べる」という方法が出てくるかもしれません。
もちろん、甘いものを食べてストレス解消!という方法が間違っているとは言い切れませんが、その際には気をつけなければいけないことがあるのです。
今回はそんな、甘いものを食べてストレス解消の間違ったやり方や、その原因、そして正しいストレス解消法に関して説明していきます。
甘い物を一気に食べると思わぬ結果になるので控えるべき
ストレス解消するときにやってはいけない「甘いものの食べ方」というのは、いわゆる「一気食い」です。
ケーキやクッキーなどの甘い食べ物をたくさん食べたときに、しばらくの間心臓がドキドキしたり、胃が重くなって気分が悪くなったりした経験はありませんか?
このように体によくない変化が起きるのは、甘いものを食べると血糖値が急激に上昇するからです。
「それでもストレスの解消になるならいいじゃないか」と思うかもしれませんが、実は甘いものを食べること自体にストレス解消の効果はないのです。
では、なぜストレスが溜まると甘いものをたくさん食べたくなるのでしょう?それは単に、ストレスが溜まると過食に走りがちになり、もともと甘いものが好きだと、お菓子を中心に過食してしまうだけだからです。
さらにストレス状態になると、インスリン過剰という状態になり、いくらインスリンを分泌しても血液の中の糖分がアミノ酸で分解しにくくなるため、通常よりもさらに血糖値が上がりやすい状態になっています。
ストレス状態で甘いものを食べるというのはつまり、血糖値に対してダブルパンチを食らっている状態ですから、血糖値が上がることによって引き起こされるネガティブな状態もさらに悪化してしまうのです。
たとえば眠気やだるさ、あるいは集中力が低下するというのがその症状。みなさんも経験したことがあると思いますが、甘いものを食べすぎれば気持ち悪くなるというのも典型的な症状です。
さらにストレスと甘いものの過食を繰り返していけば、糖尿病の原因になる可能性も高いため、やはり食べ過ぎには注意しなければなりません。
ストレス解消に甘いものはダメ!本当にとるべき食べ物とは
さて、先ほど説明した通りストレスを感じている時には過食気味になりますが、甘いものをたくさん食べてもストレス解消できないのであれば、どんなものを口にすればストレスが解消されるのでしょうか。
まず代表的なのがビタミンC、ビタミンB群といったビタミン類。そしてカルシウムやマグネシウムといったミネラル。さらに、ポリフェノールといった成分を含む食べ物が、ストレス解消に役立つと言われています。
ビタミンCであればオレンジジュースなどのフルーツジュースやキウイ、みかん、そして緑黄色野菜にも大量に含まれています。
ビタミンB群は豚肉やレバー、ウナギなど。マグネシウムはアーモンドやピーナッツ、納豆などの豆類。カルシウムは乳製品や卵など。ポリフェノールはワインやカカオ製品、バナナやブルーベリーなどに含まれます。
甘いものはストレスに有効なわけではありませんので、本気でストレス解消をしたいのであれば、そのときの状況に合わせて、上記の中から食べたいものをチョイスしてみてはいかがでしょうか。
ストレスは食べ物+行動でこまめに解消しよう
ストレスを解消するためには、甘いものをバカ食いするのではなく、それに合わせた食べ物を摂ることが大切なのです。そして、食べること以上に有効な方法があることも覚えておきましょう。
それは、「体を動かしたり行動する」ことです。なぜなら、ストレス解消のためには脳内物質である「β-エンドルフィン」がとても大切で、これを作るためには心肺機能を高める運動が必要になります。
幸福感が高まるβ-エンドルフィンが分泌されれば、高揚感や満足感によってストレスが減少されるという仕組みです。
β-エンドルフィンを分泌するための運動とは、特に難しいわけでもなく、ストレスを感じたら近くを散歩するとか、散歩する際には少し歩幅を広げて早歩きをしてみるとか、そういうレベルで普段よりも少し余計に動くことを意識する程度でもかまいません。
もし普段から運動不足を感じているのであれば、屋内でできる簡単な運動をしてみてもよいでしょう。ラジオ体操などで体を動かすのも一つのストレス解消法です。
そもそもストレスとは心理的な側面から起こることが多いので、気持ちを切り替えてみることも大切。嫌なことがあったのならそのことは意識しないようにして、楽しいことだけを考えたり、本や映画を見て感情を動かして気になっていることを忘れるということもストレス解消になります。
さらに、環境的な部分に目を向ければ、できるだけお日様の当たる気持ちの良い場所でのんびりするのも良い方法です。
日光に当たると脳内神経伝達物質である「セロトニン」が分泌され、気分がスッキリしやすくなります。
食べることを我慢して余計にストレスを増やすのもよくありませんので、食べすぎに気をつけながらこのような運動や行動、気持ちの切り替えでストレスを乗り越えるほうが結果的にはストレス解消への近道となるのです。
まとめ
ストレスは現代社会ではつきものの問題ですが、間違った方法で対応するとかえってストレスが溜まったり、体に悪影響が出てしまいます。
正しいストレス解消法を知っておけば、スッキリしてストレスを溜め込まずに済みますので、ぜひ実践してみてください。