[現役看護師の健康コラム] 紫外線対策・アンチエイジングに「飲む日焼け止め」がおすすめできない理由

紫外線対策やアンチエイジング効果、美肌効果が期待できると、SNSを中心に人気を集めている「飲む日焼け止め」。飲む日焼け止めは手軽に利用できるため人気が集まっています。飲む日焼け止めの効果は、どれくらいあるのでしょうか。今回はさまざまな論文をもとに、飲む日焼け止めの効果を解説します。

目次

紫外線が与える影響と対策

紫外線とは

紫外線は、太陽から届く光の波長のことで、一日のうちで午前10時から午後2時までが、いちばん紫外線量が多くなります。
紫外線には「UV‐A」=紫外線A波と「UV‐B」=紫外線B波の2種類があります。
UV-Aは肌の深くまで届き、肌を黒くしてしわ・たるみをつくります。UV-Bは肌の表面に影響を与え、肌を赤くし、シミ・そばかすの原因をつくります。

(引用)紫外線の肌への影響 日本化粧品工業連合会
   https://www.jcia.org/user/public/uv/affect

紫外線をたくさん浴びすぎると「日焼け」をしますが、それ以外にも以下がおこることがわかっています。

  1. しわやしみなどの皮膚老化を早める
  2. 将来、皮膚がんを起こしやすくなる
  3. 目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというがんなど)

肌の老化だけでなく、がんや目の病気を防ぐためにも、紫外線対策が重要です。

美肌を保つためには紫外線対策が重要

「紫外線を浴びない」ことが、美肌を保つためにはとても重要です。けれども、日常生活100%紫外線を浴びない生活は困難です。窓ガラスからも、カーテンやブラインド越しにも紫外線はあなたに降り注いでいます。
紫外線は肌を黒くし、しわやシミ、そばかすの原因となります。紫外線からの影響を最小限にするためには、紫外線対策が大切です。アメリカ皮膚科学会は「SPF30以上の日焼け止めを使用することがのぞましい」としています。日焼け止めだけでなく、日傘や上着、サングラスなどを使用し、できる限り「紫外線を浴びない」工夫をしたいですね。

botanicaltoでは、紫外線対策の基本を解説しています。

さらに、秋冬の紫外線の少ない時期にもおすすめできる、オーガニック&ナチュラルな日焼け止めを紹介しています。

記事を参考に、隙のない紫外線対策をめざしたいですね。

日焼け止めの種類と効果

みなさんは、どのような日焼け止め対策をおこなっていますか?日焼け止めはメイクと兼用できるものや、スプレーで手軽に塗りなおしできるもの、石鹸でかんたんに落とせるものまで、毎年新商品が発売されています。まずは「日焼け止め」について、理解しましょう。

「日焼け止め」には種類がある

日焼け止めというと「塗る」のをイメージする人も多いでしょう。塗る日焼け止めには、スプレー・ジェル・ローション・乳液・クリーム・パウダー・スティックとさまざまなタイプがあります。
ほかにも、最近人気なのはドリンクやサプリメントなどの「飲む日焼け止め」です。飲む日焼け止めは、ドリンクやサプリメントなどがあります。

「飲む日焼け止め」ってなに?

飲む日焼け止めには、日焼け止め効果が期待できる天然成分のエキスや、ビタミンC、βカロテン、ビタミンEなどのさまざまな成分が配合されています。肌のダメージを内側からケアし、肌の赤みや紫外線のダメージを緩和してくれる効果が期待できると、アメリカやヨーロッパで人気です。

塗る日焼け止めは、塗り忘れや塗りむらができてしまう点が問題でした。飲む日焼け止めは、全身に効果が期待できるのが魅力です。飲む日焼け止めの効果の持続時間は、製品によって異なります。1日1回で効果が期待できるものから、数時間おきに飲むものまで効果には差があります。

飲む日焼け止めはSPF効果が低いってホント?

塗る日焼け止めの効果を実感し、愛用している人も多いでしょう。けれども、体の内側からのケアが期待できる飲む日焼け止めの効果は、実感しにくいかもしれません。実際に、飲む日焼け止めは、どれくらいの効果が期待できるのでしょう。

飲む日焼け止めの効果は低い

飲む日焼け止めの効果は、医学的な研究では実証されていません。「内服のみで十分な紫外線対策ができるという科学的エビデンスは得られていない」と、世界的に有名なアメリカ皮膚科学会が警告しています。海外の研究では、飲む日焼け止めのSPFは1.20-1.56程度と報告されていました。ほかにも、良質なカカオチョコレートの日焼け止め効果は、SPF2.05程度と報告されています。飲む日焼け止めよりも、カカオチョコレートのほうが日焼け止め効果は高いようなのです。

研究の結果でSPFが低いからといって、飲む日焼け止めにまったく効果がないわけではありませんが、塗る日焼け止めや、日傘やサングラスに変わるほどの日焼け予防効果は期待できないというのが、実情のようです。

さらに、飲む日焼け止めのなかには、高額なサプリメントやドリンクもありますが、費用のわりには、日焼け予防の効果はなさそうです。塗る日焼け止めを適切に使用したほうが、日焼け防止効果も高く、シミ・そばかす・しわ・たるみを防止する効果が期待でき、お財布にも優しそうですね。

「塗る」と「飲む」を併用した効果はわかっていない

飲む日焼け止めは、体の内側から肌のダメージをやわらげる効果が期待できます。けれども、肌に直接届く紫外線を防いでいなければ、肌へのダメージは蓄積してしまいます。

「塗る日焼け止め」と「飲む日焼け止め」を併用すると、アンチエイジングや美肌にどれだけ効果があるのかはわかっていません。けれども、より万全な紫外線対策を目指すのであれば、塗る日焼け止めで外からの紫外線を防ぐとともに、飲む日焼け止めで内側から肌のダメージをやわらげるほうが、効果が期待できそうですね。

現役看護師からのアドバイス

手軽に日焼け止め効果が期待でき、美白につながると噂の「飲む日焼け止め」。科学的には塗る日焼け止めのほうが、高い効果が期待できます。かかる費用の割には飲む日焼け止めの効果はいまいちです。美肌を手に入れるためには科学的にも根拠があり、世界中で推奨されている「日焼け止めをこまめに塗る」「サングラスや帽子、日傘などで遮光する」のが、いちばんおすすめの方法です。補助的な方法として、飲む日焼け止めを取り入れてもよいかもしれません。めんどくさがらずに、毎日の紫外線対策を継続し、明日の美肌を手に入れましょう。

参考資料
1)日焼け – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/index.html
2)紫外線環境保健マニュアル
https://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/01.pdf
3)紫外線の基礎知識 日本化粧品工業連合会
https://www.jcia.org/user/public/uv/knowledge
4)日焼け – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/index.html
5)Surg Cosmet Dermatol. 2014;6:344–8.
https://www.semanticscholar.org/paper/The-benefits-of-using-a-compound-contai%C2%AD-ning-for-Schalka-Vitale-Villarejo/84e2a73833382cbfd63e33bba0bbb66b229a1530
6)Williams S, Tamburic S, Lally C. Eating chocolate can significantly protect the skin from UV light. J Cosmet Dermatol. 2009 Sep;8(3):169-73. doi: 10.1111/j.1473-2165.2009.00448.x. PMID: 19735513.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19735513
7)Perez-Sanchez A, et al. Protective effects of citrus and rosemary extracts on UV-induced damage in skin cell model and human volunteers. J Photochem Photobiol B 2014;136:12-8.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24815058/

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この記事を書いた人

看護師 保健師 糖尿病療養指導士
大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。

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