ヨガがストレス解消に効く?理由を科学的に解説

美容や健康に効果が期待できると人気のヨガ。ヨガはストレス解消に効果があるといわれていますが、本当なのでしょうか?まずストレスとは何かをわかりやすく解説します。さらにヨガの歴史をふまえ、ヨガにはどんな効果があるのか、いくつかの論文から科学的に解説します。後半はストレス解消に効果が期待できるポーズを紹介していますので、参考にしてください。

目次

「ストレス」って一体なに?

まず、ストレスとはいったい何なのでしょうか?わかりやすく解説します。

医学的定義

ストレスとは外部からの刺激を受けたときに生じる心身の緊張状態です。ストレスの要因は以下の4つに分類されます。

環境要因天気、温度、騒音、光など
身体的要因病気、睡眠不足、過労など
心理的要因不安、悩みなど
社会的要因多忙、就職、転勤、昇進、進学、結婚、妊娠、出産など

表のように、日常生活の全てがストレスの要因となっているのです。

ストレスが与える影響

強いストレスを感じると、交感神経が優位になり脳の下垂体や視床下部などのホルモンの分泌が活発になります。反対に体を休めるために働く神経は抑制され、神経のバランスが悪くなります。その結果、不眠や睡眠障害、抑うつなどの症状が生じます。

対処方法

ストレスを貯めないためにできることをいくつか紹介します。

・ストレスの原因から離れる

・誰かに相談する

・規則正しい生活を送る

・体を動かす

・趣味や生きがいを持つ

ストレス対処方法は、人それぞれです。ご自身に合った無理のない方法でストレスを発散させましょう。

ヨガとは?

つぎにヨガについて理解しましょう。

ヨガはインドの言語「サンスクリット語」で「つながり」を意味しています。カラダとココロ、魂まですべてが繋がって、バランスが取れている状態がヨガの目指す姿です。

ストレスや忙しい日常、偏った食生活や睡眠不足。複雑な人間関係、家族関係。ココロや体の病(やまい)。これらの問題が心身に与える影響を自分でコントロールし、修正するのがヨガなのです。

歴史

ヨガの歴史は紀元前の古代インドまでさかのぼります。はじめは、瞑想をベースとしてココロやカラダのバランスを整える目的で行われていました。近代になるとさまざまなポーズ(アーサナ)が生まれ、古代インドのヨガの派生ともいえる「新しいヨガ」が欧米を中心に発展しました。

ヨガがストレス解消にもたらす効果

ヨガはあなたの体にどのような影響を与え、ストレスを解消してくれるのでしょうか?「ヨガ」「ストレス解消」をキーワードに論文を検索し、科学的にヨガとストレス解消の関係を調べました。多くの論文ではヨガが全身の筋肉や神経に働きかけるため、ストレス解消に繋がったということが報告されていました。そのなかでも多くの論文に報告されていた3つのポイントに着目してみましょう。

適度な運動量

ストレス解消には運動が効果的です。運動には血行の促進、ホルモンバランスの調整、筋肉の増強、自律神経を整える効果など全身によい影響を与えストレス解消に繋がります。

自律神経系の調整作用

ヨガを取り入れると、ストレスを感じた時と反対の反応が体内で起こることが明らかとなっています。不安やストレスが軽減したという研究報告もあります。3)さらに、ヨガは脳をリラックスさせるGABAを増やし、交感神経の活動を抑える効果が期待できるためストレスの解消に繋がります。4)

全身の血行促進・血流改善

ストレスで副交感神経が優位になっていると、血流が滞りがちになります。ヨガのポーズやポーズに至るまでの動き、大きな呼吸は全身の筋肉を動かします。血流が改善すると血液と酸素を体のすみずみまで送ることができ、自律神経系も整いやすくなるのです。その結果、ストレス解消効果が期待できます。

反対に「ヨガにはストレス解消効果はなかった」「適切にヨガをおこなわなかったために心身に影響を与えた」という論文も数本見つかりました。その理由を「自己流のヨガでは効果が期待できない」「無理をして体に負担がかかるヨガをおこなった」と結論付けていました。

ヨガを行っても心地よさを感じない・疲れる場合には、自己流のヨガで体に負担をかけているもしくは、ヨガによるストレス解消方法が合っていない可能性があります。インストラクターに指導を受けてヨガをおこなうか、ヨガにこだわらないストレス解消方法を検討しましょう。

ストレス解消におすすめのヨガポーズ 3選

最後にストレス解消におすすめのヨガポーズを3つご紹介します。初心者でもできるように、ポーズの取り方はやや平易な方法にしています。イラストを見ながら、深い呼吸を心がけゆったりとポーズをとりましょう。

蓮のポーズ

蓮のポーズはヨガの基本となる瞑想のポーズです。姿勢を正し、緊張を和らげる効果が期待できます。

  1. 床にあぐらをかくようなイメージでゆったりと座ります。
  2. 右足を少し手前に置き、おへその前で両足のかかとが合わさるか、触れるように左足も置きます。
  3. 両ひざの高さはできるだけ揃え、お尻から頭のてっぺんまでまっすぐになるように意識しましょう。
  4. 両手は図のように手のひらを上にして、膝の上にのせます。肩の力は抜きましょう。

三角のポーズ

三角のポーズは体の側面を伸ばし、体のバランスを整える効果が期待できます。

  1. 両足を大きく左右に開いて立ちます。
  2. 図のように右足は外側に、左足は前を向くようにします。
  3. 右足のかかと左足の土踏まずが一直線になるようにしてください。
  4. 手の平を下に向けて、肩の高さまで両腕をまっすぐ開きます。
  5. 息をはきながら、上半身を右のつま先の方に倒します。可能であれば、右手は右の足首に添えるか持つようにしましょう。
  6. 左手は天井に向けてまっすぐ伸ばします。
  7. 可能であれば左手を図のように頭の方に倒し、脇腹の周囲をストレッチします。

立木のポーズ

木のようにまっすぐ立つ立木のポーズは、バランス感覚を養い体幹を鍛えられます。血行の促進やむくみや冷えの改善など、デトックス効果が期待できるポーズです。

  1. 両足をそろえてまっすぐ立ちます。
  2. 右足を持ち上げ、足の裏を太ももの内側にくっつけ左足で立ちます。
  3. 左足の裏から頭のてっぺんまで背筋をまっすぐ伸ばし、一本の木になったイメージを持つとグラグラしにくくなります。
  4. 胸の前で合掌します。
  5. バランスが取れたら、図のように手を頭の上にゆっくりと伸ばします。
    合掌したまま手を伸ばすのが難しければ、バンザイの姿勢になるように腕を伸ばしてください。
  6. 手を伸ばしたら、ゆっくりと深呼吸します。

現役看護師からのアドバイス

今回はヨガがストレス解消に与える効果と、ストレス解消におすすめのポーズを紹介しました。多くの論文を調査しましたが、ヨガがストレス解消に効果がなかったという論文もありました。また、練習方法や頻度、ストレスの程度、体調によっては期待した効果が得られなかったり、マイナスの影響を及ぼしたりする可能性はゼロではありません。

本記事ではストレスを感じて病院で治療をしている人が、ヨガの効果を過信して治療を辞めることを推奨している訳でも、おすすめしている訳でもありません。ストレスが原因で引き起こされた病的な状態が、ヨガだけで完治できるという確証はないからです。

ストレスによる心身の不調を改善するためには、規則正しい生活やバランスのとれた食事、そしてヨガなどの適度な運動が欠かせません。また正しい知識を持ったインストラクターから指導を受けるのも、より高いストレス解消効果が期待できるのでおすすめです。無理をしない範囲で日常生活にヨガを取り入れ、ストレスを解消しましょう。

参考文献
1)ヨガ eJIM  厚生労働省 
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c02/13.html
2)ストレスって何?知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html#:~:text=%E3%81%9D%E3%82%82%E3%81%9D%E3%82%82%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E5%A4%96%E9%83%A8,%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E8%A6%81%E5%9B%A0%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
3)古宮昇 ヨガの、心身の健康効果についての文献リビュー  大阪経大論集・第59巻3号・2008年9月
https://www.i-repository.net/il/user_contents/02/G0000031Repository/repository/keidaironshu_059_003_139-147.pdf
4)ストレス関連疾患に対する統合医療の有用性と 科学的根拠の確立に関する研究 
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業) 総括研究報告書
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2012/124011/201232032A_upload/201232032A0003.pdf

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この記事を書いた人

看護師 保健師 糖尿病療養指導士
大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。

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